お知らせ

お知らせ

老後2000万円問題とは 

突然ですが皆さんは「老後2000万円問題」という言葉を知っていますか? 

2019年に金融庁が公表した報告書が話題になり、一時期SNSなどで大炎上したため覚えている方も多いかもしれません。しかし多くの方はこの老後2000万問題について、具体的には理解していないのではないでしょうか。「少子高齢化により年金だけでは老後の生活費が賄えきれず個人で2000万円が必要になる」「単なるメディアの煽りでそこまで必要ではない」など様々な意見があります。では2023年現在、この老後2000万円問題はどうなったのでしょうか。 

結論から言いますと、老後2000万円問題はほぼなくなりました。更に言うなら老後に2000万円足りなくなるという解釈自体が誤りだったのです。 

そもそも何故この2000万円という言葉が出てきたのでしょうか。 

発端は、2019年の夏に金融庁が公表した報告書になります。高齢夫婦無職世帯の平均収入と平均支出を比べると毎月5.5万円の赤字になり(平均収入が月21万円、平均支出が月26万5000円)、12ヶ月×30年で約2000万円になる事から生まれてきた言葉だったのです。 

この問題は今の年金制度に疑問視する若者らを中心に大炎上し、デモ行進まで起きました。少子高齢化の影響もあり今の年金制度に対して不信感を持つ若者は少なくはありません。そんな中、政府が公的年金だけでは2000万円不足すると公言したら炎上するのは必然な事です。 

しかしこの2000万円という額、実はかなり大雑把に算出されたものだったのです。政府が公表した収支はあくまでも平均値から算出した金額であり、その平均額も2017年のデータのものにしか過ぎません。家計によって収支額は変わるのが普通であり、一人一人老後に不足する額は違ってくるのです。 

ちなみに2020年は、収入と支出の差額が毎月-1500円であり、30年間で55万円の不足という計算になっています(コロナ禍の影響や特別給付金など特殊要因の影響もあり)。あれだけ騒がれていた2000万円もたった数年でここまで減少しており、もはや存在してない問題とも言えるのです。 

このように2000万円という数字はかなり雑に計算されたものであり、家計や経済

状況によって大きく変わることが分かると思います。 

これが老後2000万円問題の実態だったのです。